喪主・ご遺族の方 - 橋本屋葬具店
葬儀は亡くなった人を葬るための儀式であり、様々な役割があります。大切な人を失い、葬儀の直前になって慌てないように、事前準備や流れを知っておくことはとても大切です。
ここでは葬儀の事前準備において考えておきたいことをご紹介します。
葬儀の形式
葬儀の形式は仏式、神式、キリスト教式、無宗教式など様々ですが、故人が信仰していた形式で行うのが一般的です。決まった宗教がない場合は、生家や嫁ぎ先の宗教で行うこともあります。
また同じ宗教・宗派でもしきたりが異なる場合がありますので注意しましょう。
宗教・菩提寺を確認
まず、故人の宗教を確認します。 菩提寺があれば連絡し、枕経についてや葬儀のこと、戒名について相談します。宗教がわからない場合は、叔父叔母に尋ねてみるなども手段の一つです。
故人と家の宗教が違っている場合は、家族や菩提寺と相談しましょう。
どこに納骨するかが重要になります。
参列の範囲を決める
葬儀にどこまでの範囲の方々に参列いただくか「葬儀に参列する人数」が重要になります。
例えば親族には伝える、ご近所には伝えるけれど、家族葬で行いたいので参列は控えていただくなどです。故人の遺志・社会的地位・交際範囲などを考慮し、参列者のおおよその人数を割り出します。その人数が葬儀の規模となります。
葬儀の予算について
まずは葬儀社に相談しましょう。葬儀費用は、祭壇や棺などの葬儀に必要なもの、料理や返礼品といった人数によって変動するもののほか、お布施など様々なもので構成されます。葬儀の規模や要望によっても大きく変わります。
葬儀費用を事前に検討しておけば、万が一の時に慌てることもありません。
葬儀社を決めておく
もしもの時に急いで葬儀社を決めるのは、残されるご家族にも不安なことです。お元気なうちから、ご本人が葬儀社を決めて準備をしておけば、自分も周りの方も精神的な負担が軽減します。
できれば数社に連絡して見積りや希望にあった斎場の有無などを比較・検討してから、選ぶようにしたほうがよいでしょう。
事前準備の相談は、はしもと屋葬祭会館へ |
葬儀の事前準備を考えているご家族様は、はしもと屋へお任せください。打ち合わせから式の進行までしっかりとサポートします。 葬儀の事前相談も受け付けていますので、お気軽にお問い合わせください。
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喪主を考えておく
「喪主」とは、遺族を代表して葬儀全般を取り仕切る人のことです。
喪主は、故人にいちばん近い血縁の人がつとめるのが一般的です。
未成年の子供が喪主になるケースでは、親族のひとりが後見人になり、実質的に喪主の役割をつとめることがあります。
また、喪主と施主は同じではありません。施主とは葬儀費用を負担する人のことです。
ただ、近年では喪主が通夜・葬儀だけでなく、その後の法事でも「施主」を務めるのが一般的です。
遺影を決める
いざその時になってからアルバムを引っ張り出して写真を選ぶ…となると、時間も限られ納得のいかない遺影写真になってしまうかもしれません。葬儀の祭壇に飾られて参列者の方がご覧になることも考え、写りのいい綺麗な写真を選んでおきましょう。2〜3枚選んでおくと、プロのアドバイスで一番適した写真を使うことができます。
ご遺体の安置場所を考えておく
病院などで亡くなられた場合、ご遺体を長く安置できないケースが多いので安置場所を決めておきましょう。基本的にはご自宅ですが、諸事情により安置できない場合は、通夜・葬儀を行う斎場、保管施設などになるでしょう。当社では24時間対応でご遺体をお預かりすることができます。お気軽にご相談ください。
身内が臨終になった場合には、やらなければならないことがたくさんあります。しかし、喪主の経験がない方にとっては「知らないことばかり」ではないでしょうか。
ここでは、臨終後の流れやマナーと、やるべきことを詳しく解説します。
臨終を告げられた時
亡くなられた場所やケースによって対応が異なるので知っておきましょう。
「身内が臨終に至る」それは、いつ誰の身にも起こりうることです。突然のお別れが訪れた時でも、気を確かに持ち、適切な行動をとれるよう心がけたいものです。
病院で亡くなった場合
病院で亡くなった場合は、ご遺体はいったん病院の霊安室に安置されます。病院でご安置できる時間は長くて2~3時間程度です。そのあいだご家族の方は医師から死亡診断書を受け取り、葬儀社が決まっていれば搬送を依頼する必要があります。その後、自宅か、斎場や葬儀社の遺体安置室などご安置する場所に搬送という流れになります。搬送先(ご安置の場所)が決まっていない場合もはしもと屋葬祭会館にご相談ください。
自宅で亡くなった場合
かかりつけの病院がある場合はすぐに連絡を入れ、医師による死亡確認をお願いします。
医師による診断が終わるまで、ご遺体は動かさないようにしましょう。
かかりつけの病院がない場合は救急車を呼び指示を仰ぎましょう。
かかりつけ医に連絡をし、医師による死亡確認をお願いします。医師による診断が終わるまで、ご遺体は動かさないようにしましょう。もしかかりつけの医師に連絡がつかないのであれば、病院の救急外来に連絡し指示を仰ぎましょう。
訃報の連絡内容
訃報連絡は迅速かつ確実に伝える必要があるため、「電話」で行うことが一般的です。特に親族などの親しい人には電話で伝えましょう。数多くの関係者がいる会社や学校関係などは代表者に電話で連絡し、その方から周囲に伝えてもらう方法もあります。
最近はメールやLINE等のSNSを主な連絡手段としている方も多いでしょう。SNSで一報を入れ、あとから電話や手紙でフォローすると丁寧です。
電話で伝えるポイント |
亡くなった人の名前 |
亡くなった日時 |
連絡先(自分または責任者の電話番号) |
葬儀の日時が決まっていない場合→「決まりしだい連絡します」と伝えます。 |
葬儀の日時が決まっている場合→通夜・告別式の日時と場所を伝えます。 |
家族葬の場合→遺族・親族のみで行うので、ご近所・会社関係などの参列はお断りすることを伝えます。 |
密葬の後、本葬する場合→「身内だけで密葬を執り行います。本葬は追って連絡します」と伝えます。香典や供物を辞退する場合はあらかじめその旨を伝えます。 |
訃報連絡でわからないことや困ったことがある場合は、葬儀社がサポートしてくれるので、担当者に相談するとよいでしょう。
死亡の手続き
臨終を迎え火葬をするにあたり、行わなくてはならない事務手続きが3つあります。
死亡診断書を受け取る
治療中だった病気で亡くなった場合「死亡診断書」は故人の臨終に立ち会った医師が作成しますので、ご遺体の搬送前に医師から受け取ります。死亡診断書は火葬の手続きのほか、遺体の搬送、故人の保険金の受け取り、相続税の申告などの際にも必要となります。
死亡届を役所に届けますが、諸手続きに必要な場合があるので、必ずコピーをとっておきましょう。
一方、不慮の事故、医師のいない場所での死亡、自殺の可能性がある場合は、異常死とみなされて警察による検死が行われます。
こうしたケースでは、所轄の警察署に報告して検死を受けた上で、検死官に「死体検案書」を作成してもらう必要があります。
死亡届を7日以内に提出
「死亡届」は死亡診断書と一枚の用紙になっており、左側が死亡届、右側が死亡診断書です。病院から死亡診断書を受け取ったら、死亡届の欄に必要事項を記入、押印して役所に提出します。
死亡を知った日から7日以内に、故人の本籍地か死亡した場所、届出人の現住所、いずれかの市区町村役所に死亡届を提出します。
死亡届を出さなければ「火葬許可証」が発行されず火葬ができないため、なるべく早めに手続きをしましょう。提出の際は、印鑑が必要になります。なお、休日や夜間も受け付けてもらえます。
※国外で亡くなった場合、死亡の事実を知った日から3か月以内に提出することが定められています。
火葬許可証を受け取る
死亡届・死亡診断書が役所に受理されると「火葬(埋葬)許可証」が発行されます。火葬許可証は、ご遺体を火葬する時に、火葬場の受付に提出するものです。
火葬が済むと火葬場の証印が押されたり、日時が記入されたりした火葬許可証が返却されます。火葬許可証は埋葬の際にも必要となるので、大切に保管してください。
ご遺体の搬送・安置
病院で息を引き取った場合、遺族はまず搬送先について話し合うことになります。
搬送先によって葬儀社の手配の仕方が違ってくるので、あらかじめ搬送先や搬送方法を決めておくことが大切でしょう。
搬送先を決める
病院などで亡くなられた場合、ご遺体を長く安置できないケースが多いので安置場所を決めておきましょう。基本的にはご自宅ですが、諸事情により安置できない場合は、通夜・葬儀を行う斎場、保管施設などになるでしょう。当社では24時間対応でご遺体を指定霊安室にてお預かりすることができます。お気軽にご相談下さいませ。
ご自宅に安置し枕飾りを整える
遺体の安置
ご自宅に安置する場合は、ご遺体の頭が北を向く「北枕」になるように布団を敷いて、顔は白い布でおおい、手は胸の上で組ませて数珠をかけます(家の間取りや仏壇の位置によって方角が変わることもあります)。また、損傷を防ぐため、安置する際に遺体にドライアイスをあてます。
仏教の場合は故人の枕元に白木の台、 香炉、線香、ろうそく、花などを供えて枕飾りを整えます。枕飾りは通夜が始まるまでの間、弔問に来た方が手を合わせたり、故人の魂を供養したりするための場所です。
枕飾り
枕飾りに必要なものは、白木の台、香炉、線香、燭台、花立て、ローソクなどです。花立てにはしきみなどの1輪の花を供えます。さらに、枕飯や枕団子も台の上に供えます。搬送を依頼した葬儀社が飾り付けてくれることがほとんどです。
枕飾りは通夜が始まるまでの間、弔問に来た方が手を合わせたり、故人の魂を供養したりするための場所です。
枕経・枕勤め
枕飾りが整ったら、菩提寺に連絡し、僧侶を呼んで遺体の傍でお経をあげてもらいます。事前に戒名(法名、法号)を授かっていない場合は、戒名を授与してもらいます。最近は枕経を行わない場合もあります。
菩提寺がある場合は事前に相談しましょう。
納棺の儀
ご納棺の儀は、故人の旅立ちが安らかであるよう祈りながら「末期(まつご)の水」からはじまり、「湯灌(ゆかん)」で身体を清め、死装束(しにしょうぞく)に着せ替え、死化粧を施した故人をお棺に納め、副葬品を納めるまでの一連の儀式のことをいいます。
基本的には、故人と関係が深かったご遺族、親族が立ち会います。
末期(まつご)の水をとる
末期の水は「死に水を取る」ともいわれ、故人の口元に水を含ませる儀式のことをいいます。喪主を筆頭として故人と血縁が近い方から順番に枕元に近づき、箸の先につけた脱脂綿や筆などを水に浸して口元を湿らせます。
末期の水は、お釈迦様がお亡くなりになる前に、水を欲したことから始められたといわれています。
湯灌(ゆかん)を行う
湯灌とは、ご遺体を入浴させて洗い清めることをいいます。故人様の身体を清めることで、現世での悩みや苦しみ、穢れを洗い流し、来世での功徳をお祈りします。
ちなみに病院で看護師がアルコールに浸したガーゼや脱脂綿で清拭してくれますが、それは一時的な処置であり湯灌とは異なります。
死化粧を施す
男性はヒゲをそり、女性には薄く化粧をします。また、髪型や身なりを整え爪も切りそろえます。安らかなお顔で眠っているように見える死化粧を施すことにより、生前の故人に近づけ、ご遺族の悲しい気持ちを和らげるという役割があります。
死装束の着付け
本来は白無地の木綿で縫った経帷子(きょうかたびら)を左前に着せますが、最近は故人が生前に好んだ衣服(スーツや柄物も可)や新しい浴衣などを着せ、納棺の時に葬儀社が用意した経帷子でご遺体をおおうという場合も多くなってきています。
宗派によっても違いがあるので、事前に菩提寺や葬儀社に確認しておきましょう。
ご遺体と副葬品(ふくそうひん)を棺に納める
ご遺体を棺に移し布団をかけます。合わせて副葬品を棺の中に納めていきます。
副葬品とは故人を弔うためにご遺体と一緒に棺に納める品物のことをいいます。死装束と合わせて身に着ける装身具や、思い出の品、生前に愛用していたもの、お花などを副葬品として納めます。最後に棺のふたを閉めて納棺の儀式が終了となります。
柩に入れていいもの | たばこ・マフラー・筆など、燃えやすいもの |
柩に入れてはいけないもの | ゴルフクラブ・メガネ・入れ歯・硬貨・CD・指輪・くだもの・生菓子など、燃えないもの、燃えにくいもの |
葬儀内容の打合せ
予算のことも考えながら、一つひとつ具体的に決めていきましょう。
葬儀社との打ち合わせでは、祭壇や返礼品、料理など、予算のことも考えながら、一つひとつ具体的に決めていきましょう。
菩提寺に連絡する
不幸があったらすぐ菩提寺に連絡し、葬儀の相談をします。菩提寺が遠くても、近くの同じ宗派のお寺を紹介してくれることもあるので、必ず連絡をしましょう。
また心当たりがない場合は、実家の菩提寺と同宗同派の寺院を近隣で探してかまいません。
「くらしの友」にて寺院をご紹介することもできますので、ご相談ください。
葬儀の日程・場所を決める
菩提寺の都合や火葬場の空き状況、また斎場の予定を確認し、葬儀社と相談して日程を決めましょう。その際、参列者の人数を想定し、交通の便も考慮に入れて、場所を決めることも大切です。
葬儀内容やプランの確認
祭壇は神仏に供物を捧げるために設けられた葬儀の中心的存在です。
白木祭壇や生花祭壇など、種類や大きさ、デザインによって料金が異なります。
はしもと屋葬祭会館のプランについては以下のリンクから詳細をご覧ください。
通夜とは、死者に邪霊が入り込むのを防ぐために家族や親しかった方が故人に付き添い、別れを惜しむものです。
現代では、さまざまな事情から一般参列者は通夜のみに参列するのが主流となっており、葬儀・告別式よりも弔問客が多い場合があります。
ここでは、通夜までに確認しておきたいことやマナー、流れなどについてご紹介します。
通夜当日までに準備すること
大切な方が亡くなられた場合、やるべきことが次々と押し寄せてきます。滞りなく通夜が進行するように、しっかり準備しておきましょう。
通夜・葬儀の告知
通夜・葬儀の日時・場所が決まったら、すみやかに故人と生前に親交があった方々へ連絡します。連絡方法は、電話のほか、ファックスやメールでも構いません。
順番は、親族、故人の友人や知人、職場や学校、団体の関係者などで、それぞれの窓口となる代表者に告知をすればその方から連絡が行きわたるでしょう。
告知をする際には、故人の名前、亡くなった日時、葬儀・通夜の日時と場所、喪主の氏名、通知者もしくは責任者の連絡先をもれなく伝えましょう。
世話役を依頼
当日、忙しい喪主や遺族に代わって、通夜の実務を取り仕切るのが世話役の役割です。
町内や親戚、会社の同僚や上司、友人などにお手伝いを依頼します。
お手伝いの人数や内容は規模によって異なり、受付や香典の管理、駐車場の係などが必要になります。お礼として、通夜や葬儀の終了後、志をお渡しすることもあります。
会葬礼状や返礼品の手配
葬儀に参列した際、受付係から手渡される紙袋に返礼品と一緒にお礼のはがきが入っていることがあります。このはがきを会葬礼状といいます。基本的には、葬儀社に用意してもらいますが、葬儀社によっては渡した分だけ精算という形のところもありますので、 返品可能な場合は余裕を持った数量で準備するようにしましょう。
供花を注文する
供花は基本的には葬儀を担当している葬儀社へ遺族・親族の分をとりまとめて依頼しましょう。葬儀社に依頼すれば、他の供花と揃えた花や名札が用意でき、届けるタイミングを見計らわなくても済むので便利です。遺族以外の供花の注文は、葬儀社の連絡先を伝え、直接注文してもらうのがよいでしょう。
遺族の服装のマナー
喪に服す主体である喪主・遺族は、喪服を着用します。しかし、通夜は正式の喪服でなくても問題ありません。
男性は、正式礼装はモーニングや黒紋付き羽織袴ですが、準喪服のブラックスーツでも差し支えありません。女性は、和装であれば黒無地染抜き五つ紋つき、洋装は黒のワンピースやスーツを着用します。
通夜の流れ
通夜がどのように進行するのか、一般的な流れを知っておきましょう。
通夜は、夜を徹して故人に付き添うのが習わしでしたが、現在は2時間程度で終了する通夜が一般的となっています。
1 | 供物などの確認と受付の準備 |
2 | 弔問客の受付開始(式が始まる1時間前には開始) |
3 | 参列者の着席 |
4 | 僧侶の入場 |
5 | 読経・焼香 |
6 | 僧侶の退場 |
7 | 喪主挨拶 |
8 | 通夜終了 |
9 | 通夜食(稲沢市近辺は助六が主流) |
供物などの確認と受付の準備
通夜を行うにあたり、受付の段取りや供花・供物、席次、焼香の順序など確認しておきましょう。また、進行や喪主の役割など分からないことがあれば、ここで聞いておきましょう。
喪主や遺族の方などは、受付開始前に受付の段取りや供花・供物、席次、焼香の順序などの確認を行います。なお、供物・弔電に関しては名前が間違っていないかなどを確認し、その人との関係を葬儀社に伝えます。
弔問客の受付開始
受付前列には芳名カードの記入と香典を預かる受付係、受付後列には芳名帳と香典を確認したうえで現金を管理する会計係をそれぞれ配置します。芳名帳は香典返しを後日送る際に必要となる記録です。香典と芳名カードとの照合はきちんと行いましょう。
参列者の席次について
一般的には、喪主を筆頭に故人と血縁の濃い順に着席します。
宗教・宗派によっては席の配置は異なることがあります。
焼香の順序について
読経の合間に、参列者たちは焼香を行います。喪主から始まり、遺族・親族・一般の参列者の順に行います。
通夜ぶるまいについて
通夜振る舞いがある地域は、焼香もしくは通夜が終わったら、参列者を別室に案内し通夜ぶるまい(飲食をふるまう)が始まります。
通夜振舞いが始まったら、頃合いを見て遺族は各テーブルに挨拶をしましょう。
僧侶へのもてなしについて
僧侶が到着したら控室に案内し、茶菓でもてなします。また、通夜が終わったら再び控室に案内し、茶菓でねぎらいます。
通夜ぶるまいの準備ができたら、上座に案内しますが、僧侶が通夜ぶるまいを辞退した時は、現金を「お膳料」として包み「お車代」とともに渡します。お膳料は5,000円~1万円を包むのが一般的です。
一般的なお葬式は、1日目の通夜、2日目の葬儀・告別式と2日間にわたって行われます。この2日目に行われる葬儀と告別式の違いや流れ、マナーなどについてここでは解説します。
葬儀と告別式の違い
葬儀と告別式は、それぞれの儀式の意味合いやおこなわれる内容が異なります。
葬儀は、僧侶の導きで故人をあの世へ送り成仏させる、いわば故人のための儀式です。
告別式は故人と親交の深かった人たちが最後のお別れを告げる、遺された人たちのためのセレモニーです。
内容としては、葬儀は導師の読経が中心で、告別式には、参列者の焼香、弔辞、弔電の拝読、喪主の挨拶、棺にお花を入れる「別れ花、花入れの儀」などがあります。
現代では「葬儀」と「告別式」は一つの儀式として扱われることが多くなり「葬儀・告別式」と称されることもあります。
葬儀・告別式の流れ
葬儀・告別式がどのように進行するのか、一般的な流れを知っておきましょう。
一般的な流れ
1葬儀 | 受付 |
2葬儀 | 遺族・親族・参列者の着席・僧侶入場・開式 |
3葬儀 | 読経・引導 |
4葬儀 | 弔辞・弔電 |
5告別式 | 読経・焼香 |
6告別式 | 僧侶の退場・閉式 |
7 | お別れの儀 |
8 | 出棺・あいさつ(霊柩車出発) |
受付
葬儀・告別式の受付は開式の約1時間前から始めます。受付では芳名帳への記帳の案内と、香典を納受します。参列者が通夜にも参列し、すでに香典を受け取っている場合は、記帳だけをしていただきましょう。
僧侶入場
僧侶が入場し、司会の開会の挨拶により、宗教的な儀式である葬儀が始まります。
読経・引導
葬儀・告別式がはじまると宗教者による読経が行われます。読経とともに故人に戒名が授けられ「引導」が行われます。宗旨・宗派によっては行わないところもあります。
弔辞・弔電
弔辞は読経後に述べていただきます。弔辞者は指定された場所で、故人の人柄や思い出などを述べます。奉読後は弔辞を畳んで、表書きをご霊前に向け、壇上に供えます。
葬儀・告別式に参列できなかった方が送る弔電は、司会者が数通だけ奉読します。残りの方はお名前だけ読み上げます。
読経・焼香
弔辞・弔電の奉読後は、僧侶による読経が再度始まります。読経中に、喪主から始まり、故人と血縁の濃い順に焼香を行います。
僧侶の退場・閉式
参列者全員が焼香を済ませ、読経が終わると僧侶が退場します。司会者が閉会の辞を述べ、葬儀・告別式は閉式となります。
お別れの儀
閉式後、出棺の準備へと移ります。遺族や親族、親しい友人により、生花で柩の中の故人の周りを飾り、最後のお別れをします。一般的には、飾られていた生花が小さくおぼんに分けられ、別れ花として遺族や参列者に配られます。
出棺の時
告別式後、故人様のお姿を見ることができる最後の場でもあります。式場内で遺族や親族が故人と最期のお別れをし、柩のふたを閉じて故人を火葬場へお連れします。
故人と最期のお別れ
告別式が終わると遺族や親族は故人と最期のお別れをします。友人など一緒に加わってもらうとよいでしょう。
葬儀社が祭壇に供えられていた生花を取って献花盆に載せて、別れ花の準備をします。
最期のお別れでは、別れ花を、故人の周りに飾るように全員で柩に入れていきます。この時、お花と一緒に故人の愛用品なども柩に入れます。
出棺
近親者の男性約8名によって棺を霊柩車まで運びます。その後、親族はマイクロバスなどの出棺車両に乗り、火葬場に同行します。参列者は出棺を見送ります。
運ぶ際の順番
1 | 僧侶 |
2 | 喪主が位牌を持ちます |
3 | 喪主に次ぐ順位の遺族が遺影を持ちます |
4 | 柩 |
残りの遺族は、柩が運ばれるのを見届けた後、式場から霊柩車の方へ移動します。
出棺のあいさつ
柩を霊柩車に納めた後、見送ってくださる会葬者に対して、喪主または親族代表が挨拶をします。見送りの方は外で立って待っている状態のため、挨拶は1分~2分程度で簡潔に行うとよいでしょう。この挨拶は、告別式の終了時に行う場合もあります。喪主が挨拶を述べる間、遺族と親族は、見送りの人たちの方へ向き、挨拶が済んだら一礼します。
火葬場への同行
一般的に火葬に同行するのは、遺族と親族、故人と特に関係が深かった方が同行する場合もあります。遺族の代表者が霊柩車に同行し、他の同行者は自家用車かバス・タクシーなどで火葬場に向かいます。同行者は何人か、誰がどの車に乗るのかを事前に確認しておきましょう。
火葬の時
葬儀・告別式が終わり、火葬場へと移動します。その際、火葬場に持っていく貴重品や当日までに購入や手配をしておく必要があるものは忘れずに前もって準備しておきましょう。
ただし、必要なものは火葬場によっても異なるため、葬儀社のスタッフにも事前に確認しておくと良いでしょう。
火葬場に持って行くもの
火葬場へ持って行くものは、宗教や地方によって違いがありますが、ここでは一般的な持ち物を紹介します。
火葬許可証 | この「火葬許可証」がないと火葬ができません。自治体に発行してもらった火葬許可証がないと火葬を行うことはできませんので、忘れないように持って行きましょう。無事に火葬が終わると判が押され、納骨時に必要書類として戻ってきますので、なくさないようにしましょう。 |
茶菓・軽食 | 火葬している間の1時間~2時間程、控室での待機となります。その間、控え室でお茶菓子や軽食を取りながら待機するのが一般的です。火葬場によりお茶を用意してくれる場所もあるので、事前に葬儀社のスタッフへ問い合わせておくと安心です。 |
骨箱・骨壺・骨上げ箸 | 骨箱や骨壺など、お骨を納める箱は葬儀社が用意してくれる場合と、そうでない場合があります。葬儀社に確認し、自分たちで準備する場合は出棺の際に忘れないように持参しましょう。 |
火葬の流れ
火葬場に移動したら、火葬炉の前に棺を置いて焼香を行い、僧侶が同伴している場合は棺経をあげてもらいます。僧侶が同伴していない場合は、係員の指示に従うとよいでしょう。
1時間ほどの火葬が終わったら骨上げを行います。
火葬許可証を渡す
「火葬許可証」を火葬場のスタッフに渡します。葬儀社に依頼している場合は、死亡届の提出から、火葬許可証の提出までを代行するケースが一般的です。
納めの式
炉の前で最後の焼香や僧侶が同伴している際は枕経を行う「納めの式」と呼ばれるお別れをしてから火葬となります。僧侶が同行しない時は葬儀社の案内に従い、焼香を行います。
柩を火葬炉の中に納める時は、全員で合掌して見送ります。
※火葬場によって手順が異なる場合があります。
控室で火葬を待つ
火葬には1~2時間ほどかかるので、知らせがあるまで参列者は控室で待ちます。
控室では、茶菓子や軽食、お酒でもてなします。僧侶が同行する場合、上座に座っていただくのが礼儀です。火葬中、控室でお食事を召し上がることもあります。地域によっては待っている時間を使って精進落としをすることもあり、過ごし方はさまざまです。
骨上げをする
火葬終了の連絡を受けたら火葬炉の前まで移動し骨上げとなります。
骨上げは竹の箸を使い、二人で一本のお骨を骨壺へ納めます。
順番は喪主から始まり、故人と血縁の深い順に拾います。
この二人で一本のお骨を挟むことを「箸渡し」といい「三途の川を渡る際の橋渡し」に通じるとも言われています。足の方から上半身へと進み、喉仏を収めて終わりとなりますが、係員が教えてくれますので心配はありません。
骨箱(骨つぼ・埋葬許可証)を受け取る
骨上げを終えると、埋葬許可証が渡されます。埋葬許可証がないとお墓に埋葬できなくなってしまいますが、一般的には、骨箱に埋葬許可証を入れてくれますのでなくす心配はありません。
お清めを行い、精進落としの会場に向かう
以前は、塩と水でお清めを行っていましたが、最近は簡略化され、塩のみで行うことが多いようです。
精進落としと遺骨迎え
火葬場から戻った後、葬儀当日に埋葬する場合を除き、遺骨は精進落とし後、自宅へ戻ります。四十九日の忌明け法要まで、後飾りと呼ばれる祭壇に安置します。遺族は忌明けまで毎日灯明をともし、線香をあげて故人の冥福を祈りましょう。
初七日法要を営む
初七日法要は、故人が亡くなった日から数えて7日目に行うのが正式です。
本来であれば、初七日に法要を行うのですが、最近では遠隔地から訪れる親族などに配慮し、葬儀当日の骨上げ後に行われる「繰り上げ初七日法要」が一般的になってきました。
火葬後に葬儀場やお寺に場所を移し、お寺の法要時間で異なりますが、30分程度と考えておくと良いでしょう。
その後の精進落としも行うことから、移動は多くなりますが、1日で終えることができより多くの親族に参加してもらうことが可能です。
精進落としを行う
精進落しは、一般的に初七日法要のあとに料理を振る舞うことを指します。かつては忌明けまで、遺族は肉や魚を絶つのが習わしでしたが、最近では葬儀でお世話になった人々に対し、感謝の気持ちを込めて、料理を振る舞うことが目的になっています。
一般的には、仕出しを取って自宅や斎場で行ったり、料亭を予約したりします。葬儀場と火葬場が同じ敷地にあり、火葬中に精進落しを行う場合は、葬儀場の待合室で場合も多いです。
後飾りの祭壇に遺骨を安置する
火葬場からご自宅に戻られたご遺骨を、納骨を行う四十九日まで安置する祭壇を「後飾り」といいます。ご自宅に戻られてすぐに設置していただき供養をします。
祭壇は2段あるいは3段から成る後飾りは、3段タイプで高さ63cm x 幅81cm x 奥行き70cmほどで、それぞれの段に飾るものが決まっています。
上段 | ご遺骨、遺影写真、白木位牌 |
中段 | 香炉、燭台、線香入れ、りん |
下段 | 供物、花 |
後飾りの祭壇は、四十九日の忌明けまで設け、故人の好物だったものやお花を供え、毎日ろうそくを灯し、線香を焚いて供養します。
無事にお葬式を終えたあとにも、喪主や御遺族の方にはやるべきことがたくさんあります。すべての法要をつつがなく終わらせるため、今回は葬儀後の流れや清算等の手続きを解説します。
葬儀が終ってから忌明けまで
遺族が行う手続きや準備
- 自宅の後飾り祭壇に遺骨を安置する
- お手伝いいただいた方などへのあいさつ回りやお礼状の発送
- 病院や葬儀社への支払い
- 亡くなった方の勤務先の諸手続きや荷物の整理
- 埋葬料または葬祭費の受取り手続き(社会保険・国民健康保険)
- 個人や勤務先で加入している生命保険金の受取り手続き
- 国民年金の受取り手続き
- 遺品整理(遺言書がある場合、期限はありませんが速やかに確認)
- 香典返しや礼状の手配
- 四十九日法要の打ち合わせと準備
- 本位牌や仏壇の購入
- 墓地・墓石の準備と購入
- 忌明け法要
- 納骨式
- 遺産相続の協議と遺産分割協議書の作成
- 亡くなった方の所有していた不動産・株券・預貯金等の名義変更
- 相続税の申告手続きと納付
- 確定申告(亡くなった方が会社で源泉徴収されている場合は不要)
- 医療費控除による税金の還付手続き
- 新盆(亡くなってから初めて迎えるお盆)
葬儀後のあいさつ回りとお礼
葬儀で特にお世話になった、世話役代表や世話役の人たちには、葬儀の翌日か翌々日にご挨拶に伺い、お礼のあいさつにうかがうようにします。また、弔電や供物をいただいた方にはお礼状を出すとよいでしょう。
お手伝いいただいた方へのお礼
隣近所や町内会の代表、故人の勤務先などには1週間以内にあいさつにうかがいます。
相手や状況によっては、菓子折りなどを持参するとよいでしょう。
供花・弔電への礼状
香典をいただいた方には当日「会葬礼状」をお渡ししていますので、あいさつ回りは必要ありません。ただ、供花・供物を贈っていただいた方や、弔電をいただいた方には、お礼状を出すとよいでしょう。
供花・弔電の礼状〈例〉
このたびは故○○儀葬儀に際しまして ご多忙中にも関わらずご鄭重な弔電を賜り 厚く御礼申し上げます おかげさまで滞りなく葬儀を済ませることができました ここに生前のご厚情に感謝申し上げますとともに 今後とも変わらぬご指導ご鞭撻下さいますようお願い申し上げます 略儀ながら書中をもちまして御礼申し上げます |
香典返し
香典返しとは、いただいた香典へのお返しとして贈る品物のことで、遺族から参列者に贈られます。香典は不祝儀であるため、形が残らない「消え物」を選ぶのが一般的です。
故人の名前や戒名、喪主の名前が入ったあいさつ状を添えて送りましょう。
最近では葬儀の当日に渡すことが多くなっています。
香典帳の整理
受付に用意した会葬帳に、住所や名前を記帳してもらうのが一般的です。
最近では会葬帳・香典帳に代わり、記帳カードが多くなってきています。記帳カードには香典の金額を記入する欄があり香典帳に転記する必要がありません。金額別に整理しておくと、香典返しを用意する際に便利です。
品物選びとお返しの時期
香典返しの予算は、日本特有の「半返し」の習慣にならって、頂いた香典の半額が一つの目安となるでしょう。ただし、半分では多すぎるという考え方もあるため、3分の1~半分程度の予算で用意するのが一般的です。消耗品やカタログギフトなどを選ばれる方が多くなってきているようです。
香典返しは、弔事を滞りなく終えたことを伝えるという本来の意味のとおり、四十九日を過ぎた後、つまり「忌が明けて」から贈ります。今は通夜や葬儀・告別式の時にお渡しするケースも多くなっています。
即日返し
香典返しを葬儀当日にお返し物をお渡しする「当日返し(即日返し)」の場合は、金額に関係なく全ての方に同じ品物をお渡しします。
ただし、香典が高額で用意した返礼品では不十分な場合は、忌明け後に改めて返礼品を贈るのが一般的です。品物は「香典の半額」から「当日お渡しした品物の額」を差し引いた金額を目安に選ぶとよいでしょう。
香典返しにはお礼の手紙を添えて
香典返しには、お礼状を添えて贈ります。お礼状とは、香典をいただいた方への感謝の気持ちと、故人の法要を無事に終えたことを報告するものです。
お礼状(挨拶状)のマナー
句読点は使用しない
お礼状には「、」や「。」といった句読点は使いません。
忌み言葉は使用しない
忌み言葉とは、不幸を連想させる不吉な言葉のことです。
「くれぐれも」「たびたび」など、日常的に使われる言葉に重ね言葉があるため、使用しないように注意しましょう。
このほか、「死」を連想させる「4」や、「苦しみ」に結びつく「9」なども避ける必要があります。
お礼状(挨拶状)の例文
では、お礼状はどのように書いたらよいのでしょうか。ここでは、仏式における一般的なお礼状の文例(テンプレート)を紹介します。
お礼状の例文
拝啓 ご尊家益々御清祥のこととお喜び申し上げます 先日の(続柄) (故人の俗名)儀 葬儀に際しましては ご丁重なるお心遣いを賜り誠にありがとうございました お陰をもちまして○月○日に四十九日の法要を滞りなく営むことができました 故人生前中のひとかたならぬご厚情に対し心よりお礼申し上げます つきましては心ばかりではございますが 追善の微意を表す品をお送りいたしますのでご受納下さいますようお願い申し上げます 本来であれば拝眉の上ご挨拶申し上げるべきところ失礼ではございますが 略儀ながら書中をもちましてお礼方々ご挨拶申し上げます 敬具 |
遺品の整理
遺品の整理
遺族と故人が同居していた場合の遺品整理はそれほど困難ではありませんが、故人が遺族と離れて住んでいた場合、遺品の整理に時間がかかります。賃貸であれば部屋の契約解除や遺品の郵送、室内の清掃をおこなう必要があります。 このとき遺言書の有無について、必ず確認してください。故人の遺志を尊重しながら、遺産分割や死後の手続きを進めるためにも遺言書の有無はとても重要です。
四十九日法要の日程を決める
正式には四十九日ちょうどに行う法要ですが、御遺族が集まりやすい日程にすることが多いです。平日に集まることが難しい場合が多いため、実際には四十九日直前の土日に営まれることが一般的です。
四十九日法要の前倒しは可能ですが、四十九日を過ぎることは避けてください。
また、四十九日法要を三ヶ月に亘っておこなう「三月跨」は敬遠される風習があります。日程を決めた後は、会場の手配、参加者へ案内状の送付、香典返しの手配を行いましょう。
日程の決め方
「四十九日を計算したところ、平日だった」など、参列者の予定が合わない日が49日目に当たることがあります。都合をつけるのが難しいときは、休日を選ぶのがおすすめです。
法要は先延ばしにせず、早めにおこなった方が良いとされています。四十九日以前の最も近い休日を選び、参列者の都合をつけてもらうとスムーズ。なお、日程を繰り上げる場合は、1週間以内に収めます。
時間の決め方
法要の時間帯は、午前と午後どちらでも問題ありません。参列者や会場を始めとした関係各所の予定をすり合わせて、時間を決めます。
ただし、居住地によっては「法要は午前中におこなうべき」と考えることもあるので、親戚や僧侶などに確認しておくと安心です。法要を終えてから食事会を開催する場合、午前10時〜12時に法要をおこない、昼食に移るプランが主流。希望通りのスケジュールになるよう、早めに予約を取ることが大切です。