menu

葬儀を終えられたら

無事にお葬式を終えたあとにも、喪主や御遺族の方にはやるべきことがたくさんあります。すべての法要をつつがなく終わらせるため、今回は葬儀後の流れや清算等の手続きを解説します。

葬儀が終ってから忌明けまで

遺族が行う手続きや準備

  • 自宅の後飾り祭壇に遺骨を安置する
  • お手伝いいただいた方などへのあいさつ回りやお礼状の発送
  • 病院や葬儀社への支払い
  • 亡くなった方の勤務先の諸手続きや荷物の整理
  • 埋葬料または葬祭費の受取り手続き(社会保険・国民健康保険)
  • 個人や勤務先で加入している生命保険金の受取り手続き
  • 国民年金の受取り手続き
  • 遺品整理(遺言書がある場合、期限はありませんが速やかに確認)
  • 香典返しや礼状の手配
  • 四十九日法要の打ち合わせと準備
  • 本位牌や仏壇の購入
  • 墓地・墓石の準備と購入
  • 忌明け法要
  • 納骨式
  • 遺産相続の協議と遺産分割協議書の作成
  • 亡くなった方の所有していた不動産・株券・預貯金等の名義変更
  • 相続税の申告手続きと納付
  • 確定申告(亡くなった方が会社で源泉徴収されている場合は不要)
  • 医療費控除による税金の還付手続き
  • 新盆(亡くなってから初めて迎えるお盆)

葬儀後のあいさつ回りとお礼

葬儀で特にお世話になった、世話役代表や世話役の人たちには、葬儀の翌日か翌々日にご挨拶に伺い、お礼のあいさつにうかがうようにします。また、弔電や供物をいただいた方にはお礼状を出すとよいでしょう。

お手伝いいただいた方へのお礼

隣近所や町内会の代表、故人の勤務先などには1週間以内にあいさつにうかがいます。
相手や状況によっては、菓子折りなどを持参するとよいでしょう。

供花・弔電への礼状

香典をいただいた方には当日「会葬礼状」をお渡ししていますので、あいさつ回りは必要ありません。ただ、供花・供物を贈っていただいた方や、弔電をいただいた方には、お礼状を出すとよいでしょう。

供花・弔電の礼状〈例〉

このたびは故○○儀葬儀に際しまして ご多忙中にも関わらずご鄭重な弔電を賜り 厚く御礼申し上げます
おかげさまで滞りなく葬儀を済ませることができました
ここに生前のご厚情に感謝申し上げますとともに 今後とも変わらぬご指導ご鞭撻下さいますようお願い申し上げます
略儀ながら書中をもちまして御礼申し上げます 

香典返し

香典返しとは、いただいた香典へのお返しとして贈る品物のことで、遺族から参列者に贈られます。香典は不祝儀であるため、形が残らない「消え物」を選ぶのが一般的です。
故人の名前や戒名、喪主の名前が入ったあいさつ状を添えて送りましょう。
最近では葬儀の当日に渡すことが多くなっています。

香典帳の整理

受付に用意した会葬帳に、住所や名前を記帳してもらうのが一般的です。
最近では会葬帳・香典帳に代わり、記帳カードが多くなってきています。記帳カードには香典の金額を記入する欄があり香典帳に転記する必要がありません。金額別に整理しておくと、香典返しを用意する際に便利です。

品物選びとお返しの時期

香典返しの予算は、日本特有の「半返し」の習慣にならって、頂いた香典の半額が一つの目安となるでしょう。ただし、半分では多すぎるという考え方もあるため、3分の1~半分程度の予算で用意するのが一般的です。消耗品やカタログギフトなどを選ばれる方が多くなってきているようです。

香典返しは、弔事を滞りなく終えたことを伝えるという本来の意味のとおり、四十九日を過ぎた後、つまり「忌が明けて」から贈ります。今は通夜や葬儀・告別式の時にお渡しするケースも多くなっています。

即日返し

香典返しを葬儀当日にお返し物をお渡しする「当日返し(即日返し)」の場合は、金額に関係なく全ての方に同じ品物をお渡しします。
ただし、香典が高額で用意した返礼品では不十分な場合は、忌明け後に改めて返礼品を贈るのが一般的です。品物は「香典の半額」から「当日お渡しした品物の額」を差し引いた金額を目安に選ぶとよいでしょう。

香典返しにはお礼の手紙を添えて

香典返しには、お礼状を添えて贈ります。お礼状とは、香典をいただいた方への感謝の気持ちと、故人の法要を無事に終えたことを報告するものです。

お礼状(挨拶状)のマナー

句読点は使用しない

お礼状には「、」や「。」といった句読点は使いません。

忌み言葉は使用しない

忌み言葉とは、不幸を連想させる不吉な言葉のことです。
「くれぐれも」「たびたび」など、日常的に使われる言葉に重ね言葉があるため、使用しないように注意しましょう。
このほか、「死」を連想させる「4」や、「苦しみ」に結びつく「9」なども避ける必要があります。

お礼状(挨拶状)の例文

では、お礼状はどのように書いたらよいのでしょうか。ここでは、仏式における一般的なお礼状の文例(テンプレート)を紹介します。

お礼状の例文
拝啓 ご尊家益々御清祥のこととお喜び申し上げます
先日の(続柄) (故人の俗名)儀 葬儀に際しましては
ご丁重なるお心遣いを賜り誠にありがとうございました
お陰をもちまして○月○日に四十九日の法要を滞りなく営むことができました
故人生前中のひとかたならぬご厚情に対し心よりお礼申し上げます
つきましては心ばかりではございますが 追善の微意を表す品をお送りいたしますのでご受納下さいますようお願い申し上げます
本来であれば拝眉の上ご挨拶申し上げるべきところ失礼ではございますが
略儀ながら書中をもちましてお礼方々ご挨拶申し上げます 敬具

遺品の整理

遺品の整理

遺族と故人が同居していた場合の遺品整理はそれほど困難ではありませんが、故人が遺族と離れて住んでいた場合、遺品の整理に時間がかかります。賃貸であれば部屋の契約解除や遺品の郵送、室内の清掃をおこなう必要があります。 このとき遺言書の有無について、必ず確認してください。故人の遺志を尊重しながら、遺産分割や死後の手続きを進めるためにも遺言書の有無はとても重要です。

四十九日法要の日程を決める

正式には四十九日ちょうどに行う法要ですが、御遺族が集まりやすい日程にすることが多いです。平日に集まることが難しい場合が多いため、実際には四十九日直前の土日に営まれることが一般的です。

四十九日法要の前倒しは可能ですが、四十九日を過ぎることは避けてください。
また、四十九日法要を三ヶ月に亘っておこなう「三月跨」は敬遠される風習があります。日程を決めた後は、会場の手配、参加者へ案内状の送付、香典返しの手配を行いましょう。

日程の決め方

「四十九日を計算したところ、平日だった」など、参列者の予定が合わない日が49日目に当たることがあります。都合をつけるのが難しいときは、休日を選ぶのがおすすめです。
法要は先延ばしにせず、早めにおこなった方が良いとされています。四十九日以前の最も近い休日を選び、参列者の都合をつけてもらうとスムーズ。なお、日程を繰り上げる場合は、1週間以内に収めます。

時間の決め方

法要の時間帯は、午前と午後どちらでも問題ありません。参列者や会場を始めとした関係各所の予定をすり合わせて、時間を決めます。
ただし、居住地によっては「法要は午前中におこなうべき」と考えることもあるので、親戚や僧侶などに確認しておくと安心です。法要を終えてから食事会を開催する場合、午前10時〜12時に法要をおこない、昼食に移るプランが主流。希望通りのスケジュールになるよう、早めに予約を取ることが大切です。


PAGE
TOP