参列される方 - 橋本屋葬具店
親しい人の訃報を受けたとき、混乱する感情の中でも、最低限の礼儀は保つべきです。そして何よりも重要なのは、大切な家族を亡くした遺族への思いやりの気持ちを心に留めておくことです。
臨終の知らせを受けたら
臨終の報告を受けた時の対応、及び服装等の留意点を理解しておくことが重要です。自身と故人との関係性を鑑みつつ、弔問のタイミングを適切に決めることが大切です。
臨終の連絡を受けたら
親族はすぐに駆けつけて、可能ならばお手伝いを申し出ます。
故人と親しい友人・知人の場合も、すぐに弔問に駆けつけましょう。遺族を力づける言葉がけをするとともに、お手伝いを申し出てもよいでしょう。
一般的なお付き合いの間柄の場合は、臨終の連絡を受けた直後に弔問する時は、お線香をあげる程度で長居は避けましょう。
弔問する時の服装
緊急で訪れる際の服装については、地味な平服でも不適切とはなりません。ただし、過度な化粧は控えめにし、リングやアクセサリーなど、目立つアイテムは取り外す配慮が望まれます。
代理として弔問にうかがうは、玄関先で本人が弔問できない理由を手短に伝え、お悔みの言葉を伝えましょう。
お悔やみの言葉
「忌み言葉(いみことば)」と呼ばれる言葉は、葬儀の際のお悔やみの言葉で避けるべきものです。忌み言葉とは、「重ねがさね」、「度々(たびたび)」、「益々(ますます)」など、不幸が重なる、不幸が続くといった意味合いをもつ繰り返しを象徴する表現で、葬儀の場では適切でないとされています。
その他にも注意すべき事項が存在します。
故人や遺族と親しい関係にある場合、死の状況など詳細を尋ねる傾向にあるかもしれません。
しかし、葬儀の場では、そのような質問を控えることがマナーとされています。この点を覚えておくことが重要です。
遺族の悲しみの中でお悔やみの言葉を述べることは困難な場合がありますが、適切な言葉が思いつかなくても、真心を込めた態度や行動であれば相手には必ず伝わります。
言葉遣いを複雑に考える必要はありません。「このたびは、ご愁傷様でございます。心よりお悔やみ申し上げます」というような、一般的で簡潔なお悔やみの表現が最も好ましいとされています。
気をつけたいNGマナー
葬儀の際には、「忌み言葉(いみことば)」と呼ばれる、使ってはいけない言葉が存在します。これらは、「重ねがさね」、「度々(たびたび)」、「益々(ますます)」など、繰り返しや増加を意味する表現で、不幸が連続するという意味に繋がりかねないため、避けるべきです。
また、故人や遺族との親密な関係から、故人の亡くなった状況について詳しく知りたいと思うかもしれませんが、その経緯を詮索することは葬儀の場では不適切とされています。これも忘れないようにしましょう。
深い悲しみに包まれた遺族に対して、適切な慰めの言葉を伝えるのは困難かもしれません。しかし、言葉が上手にまとまらなくても、あなたの心からの思いや行動が遺族に伝わります。過度に難解な表現を考えるよりも、「このたびは、ご愁傷様でございます。心からお悔やみ申し上げます。」のような、一般的で明瞭な表現が望ましいと言えるでしょう。
葬儀参列前
訃報の知らせを受け、深夜に駆けつける |
親しい方の場合でも、深夜の弔問は遠慮した方が良いでしょう。 |
電話での慰めの言葉の伝達 |
葬儀の準備を進める遺族は、悲しみを抱えながらも多くのことを処理する必要があります。そのような状況で電話でお悔やみを述べる行為は、礼儀に反する可能性があります。お悔やみの言葉は参列時に直接伝えるか、出席できない場合は訃報電報を送ることを検討しましょう。 |
喪家への長居 |
葬儀の前の喪家は思っている以上に忙しく、遺族も疲れきっています。そのような場所で長く滞在することはマナー違反となります。適切に慰めの言葉を述べた後は、すぐに立ち去るようにしましょう。 ただし、近親者や親しい方、近隣の方々などに対しては、何か助けになることがないか尋ね、積極的に手伝いを申し出ることも考えましょう。 |
故人との対面を自分から申し出る |
自分から故人との対面を申し出ることは、思いやりに欠ける行為と捉えられます。 遺族から提案された場合のみ、敬意をもってその機会を受け入れるのが礼儀です。 |
故人との対面の作法
故人との対面 |
①故人から一歩下がった位置で、故人に対して一礼します。 |
②故人の傍へ寄って、手を合わせます。 |
③故人のお顔を覆っている白布を、ご遺族があげてくださいますので、故人のお顔を拝して対面します。 |
④手を合わせ、故人の冥福を祈ります。 |
⑤故人から、一歩下がります。 |
⑥ご遺族に一礼して、退席します。 |
故人との対面の際には、特定の状況で対面が求められることもあります。そのため、必ずしも厳格な作法を遵守する必要はありません。
重要なのは、「遺族への悲しみの共有」と「故人の安らかな永眠を願う心」です。
葬儀は一般的に2日間にわたって進行する故人への別れの儀式を指します。通常、初日には通夜が、2日目には葬儀と告別式が行われ、故人と親しい人々が集まり、最後の別れを告げます。
故人や遺族に対して適切な敬意を示すためにも、葬儀に関わるマナーを解説します。
通夜・葬儀・告別式
ここでは、式典に参加したときに会場で考慮すべき点を説明します。
伝統的には、通夜は遺族や近親者が故人の訃報を悼む時間でしたが、現在では告別式に参加できない人々が参加する機会が増えています。
さらに、葬儀は故人の安息を祈り、告別式は最後のお別れを伝える場として位置づけられていますが、現在ではこれらの式典が同時に行われることが一般的になっています。どちらの場合でも、定められた時間よりも早めに到着するよう心がけましょう。
会場内でのマナー
施設に到着した際には、まず受付を完了します。会葬帳に署名をし、香典を持っている場合はここで渡します。座席が割り当てられている場合は、指示に従い座りましょう。
施設内では静粛に行動し、知り合いに遭遇しても簡単な挨拶程度に留めることが良いマナーです。また、スマートフォンの電源をオフにするなど、遺族の感情を尊重した行動を心掛けましょう。
あいさつやお悔みの言葉
受付での手続きが終わった後、「このたびはご愁傷さまでございます」と挨拶を述べ、香典はラベルを相手に見えるように差し出します。
遺族と挨拶を交わす機会がある場合も、簡潔に行いましょう。
焼香の作法
葬儀の場に赴いた際、焼香のやり方がわからず戸惑ってしまいがちです。
焼香の基本的な順序を以下に紹介します。
焼香の順序例
焼香台に進み、ご遺族に一礼します。遺影(ご本尊)に向かって一礼し、一度合掌
親指、人指し指、中指で抹香をつまみ、額の高さで押しいただきます。
一歩下がり、遺影(ご本尊)に向かって一礼し、席に戻ります。
焼香の際は、数珠は左手にかけます。
また、焼香の作法は宗旨・宗派や地域によって差があります。不安な方はあらかじめ確認しておきましょう。
宗派別に見る焼香の作法一覧
宗派 | ご焼香回数 |
日蓮宗 | 押しいただいて1回または3回 |
浄土宗 | 押しいただいて1回〜3回 |
真言宗 | 押しいただいて3回 |
日蓮正宗 | 押しいただいて3回 |
臨済宗 | 押しいただいて1回 |
曹洞宗 | 2回(1回目は押しいただく、2回目は押しいただかない) |
天台宗 | 回数を特に定めていない |
浄土真宗本願寺派 | 1回 押しいただかない |
真宗大谷派 | 2回 押しいただかない |
真宗高田派 | 3回 押しいただかない |
※押しいただくとは・・・つまんだ抹香(まっこう)を額の高さまで掲げること。
※会葬者が多い場合や、場所の都合により回数が異なる場合があります。各宗教者様により作法の異なる場合があります。心のこもったご焼香をすることが大切です。
故人との対面の作法
| 内容 |
---|
1 | 故人から一歩下がった位置で、故人に対して一礼します |
2 | 故人の傍へ寄って、手を合わせます。 |
3 | 故人のお顔を拝して対面します。 (顔が白布で覆われている場合は、ご遺族の手で外します) |
4 | 手を合わせ、故人の冥福を祈ります。 |
5 | 故人から、一歩下がります。 |
6 | ご遺族に一礼して、退席します。 |
※宗旨・宗派や地域慣習の違いにより、一部異なる場合がございます。
通夜・葬儀に出席する際の服装
服装
喪服は格式の高い順に、「正喪服」「準喪服」「略喪服」の3つにわかれています。
基本的に「正喪服」は喪主が着用し、参列者は喪主やその近親者よりも格式の低い喪服を着るのがマナーです。
また男女ともに、アクセサリーの着用は結婚指輪以外避けた方が無難です。
靴やバッグは特に注意を払いましょう。黒い靴やバッグでよく使用されるエナメル素材や革製品は葬儀の場ではふさわしくないため、控えましょう。
準喪服
男性 | ブラックスーツと黒ネクタイ。光沢が無いもの。 |
女性 | 黒か濃紺のワンピースやアンサンブル。黒か濃紺のスーツ。光沢が無く、肌を露出しないもの。 |
略喪服
男性 | ダークグレーか紺のスーツに黒のネクタイ。 無地またはそれに近く、光沢が無いもの。 |
女性 | 黒か濃紺のワンピースやアンサンブル。スーツ。 多少の織り柄は可。 |
葬儀・告別式での焼香
参列者が多い場合は焼香の長い列ができます。前の人が終わったら進み出て心を込めて焼香し、故人の冥福を祈ります。
弔辞
弔辞を頼まれたら、お断りするのは極力避け、引き受けるようにしましょう。弔辞のご依頼は遺族からの信頼の証です。
依頼されてから、作成するまで時間はあまりないことも多いですが、弔辞は葬儀後に喪家に渡すため、なるべく丁寧に書きましょう。
弔辞作成のポイント
1.亡くなられたことへの悲しみを述べる。
2.故人の業績を称え、人柄を振り返る。
3.ご遺族を励まし、今後の協力の意向を述べる。
4.故人の冥福を祈り結びとする。
※忌み言葉「重ねがさね」「度々(たびたび)」「益々(ますます)」「また」「再び」などは、使わないように気をつけましょう。
出棺
故人と縁が深い場合は、出棺するまで最後のお見送りをしましょう。悲しい気持ちをこらえるのが難しい場面ですが、出棺時は合掌か黙礼でお見送りします。
葬儀の形は、宗教ごとに異なります。日本で行われている葬儀の約9割が仏教式ですが、神道やキリスト教、最近では宗派の形にとらわれない自由葬といった形式もあります。
失礼のないよう、参列する際の基本的なマナーをおさえておきましょう。
仏教
一般的に行われている仏教葬ですが、宗派による死生観の違いによってマナーが異なる場合があります。特に一般的な仏教葬との違いが大きい、浄土真宗と曹洞宗について解説していきます。
浄土真宗
浄土真宗における葬儀は故人の供養を目的としておらず、「死をきっかけとして仏の教えを学ぶ場」と考えます。「故人は亡くなった時点で既に極楽浄土にいる」ため、他の仏式葬儀では一般的な作法であっても、浄土真宗では存在しない儀式があります。
一般の仏教葬と浄土真宗の葬儀の主な違い |
・「末期の水」の儀式がない 死出の旅路自体が信じられていないためです。(但し、慣習として行われる場合もあります) |
・戒名ではなく「法名」を授かる 死後に仏門に入るという考え方がないため、「受戒」もありません。戒名の代わりに、生きている間に仏弟子として生きていくことを誓い授かる名として「法名」を授かります。 |
・引導がない 仏の力によってのみ救われると考えられており、人が極楽浄土へ行くための手助けなどできるわけがないと考えるためです。 |
・死装束やお浄めの塩がない 往生が約束されているため、死出の旅に出る必要がないという考え方から「死装束」は省略されます。また、死が穢れであるとしていないため、通夜や葬儀に配られるお清めの塩もないのが特徴です。 |
葬儀の流れ
他の仏教宗派と葬儀の意義が違うため、葬儀の流れも一般の仏式葬儀とは異なります。葬儀については特に門徒の多い浄土真宗本願寺派と真宗大谷派についてご紹介します。
通夜 |
通夜勤行と呼ばれ、葬儀の前夜に近親者などを仏前に集め、遺体を見守り、読経を行います。 |
葬儀 |
・本願寺派の場合 納棺勤行の後、葬儀を行います。導師の読経、焼香を行います。 |
・授真宗大谷派の場合 「葬儀式第一」「葬儀式第二」と2段階に分かれているのが特徴です。 「葬儀式第一」では、棺前勤行と葬場勤行を行い、「葬儀式第二」では告別式形式で葬儀を行います。 |
出棺 |
葬儀のお勤めが終わったら、出棺の準備を行い、出棺します。 |
火葬・収骨 |
火葬場に導師が同行している場合は、火葬場でも短い読経があります。 収骨は、遺族がお箸で拾った骨を隣の人が順々にお箸で受け取って骨壷まで運ぶ渡し箸で行われます。 |
葬儀後の法要 |
一般の法要とは意味合いが異なり、故人のためではなく、遺族のために行われます。僧侶が遺族に対して、「人生の真実に目覚めていく教えを説く」聞法を目的として執り行われます。 |
葬儀の手順は葬儀の規模や地域慣習によって変わる場合があります。不安がある場合は葬儀会社や地域に詳しい方に聞いてみるのも一つの方法です。
参列する際に注意すること
言葉のマナー
浄土真宗では、忌み言葉だけでなく独特の言葉のマナーがあります。
主に、死出の旅路を連想させるような言葉がタブー表現となります。
浄土真宗でのNG表現 | 言い換え |
草葉の陰・天国 | お浄土、み仏の国 |
天国に行く | お浄土に参る |
昇天、他界、永眠 | 浄土に往生する |
御霊前・みたま | 御仏前・御尊前 |
戒名 | 法名 |
祈る | 念ずる |
冥福を祈る | 哀悼の意を表する |
魂・魂魄・御霊 | 故人 |
安らかにお眠りください | 私たちをお導きください |
香典について
香典の表書きは「御仏前」と書くのがマナーです。
御霊前と書くのはマナー違反となります。
数珠について
浄土真宗の数珠は、房が「蓮如結び」になっているのが特徴です。本願寺派と真宗大谷派で数珠の掛け方が違います。
本願寺派の場合 【輪】二重に巻いて、合掌した両手に輪をかけます。 【房】合わせた両手の甲の真下へ垂らします。
真宗大谷派の場合 【輪】親玉部分が上に来るように輪をかけます。 【房】左手の甲に垂らします。 |
焼香の作法について
お香を3本の指で摘むところまでは一般的ものと同じですが「押しいただくをしない」のが特徴です。
本願寺派の場合 香炉にくべる回数は「1回」 押しいただかない
真宗大谷派の場合 香炉にくべる回数は「2回」 押しいただかない |
曹洞宗
曹洞宗の葬儀では、故人が「仏の弟子になるための儀式」が執り行われます。故人がつつがなく仏の元に導かれ弟子になるために長い時間をかけて儀式が行われます。
また、他の宗派に比べ多くの導師が葬儀に参加します。これは葬儀を取り仕切る導師だけでなく、仏具を担当する導師もお迎えすることが多いからです。
葬儀の流れ
曹洞宗の葬儀はさまざまな儀式を行うため、一般的な仏式葬儀より多少時間がかかります。また、仏具の音が故人の魂を仏へ導くとされているため、儀式中に独特の仏具で大きな音を出すのが特徴で、一般の葬儀とはかなり印象が違ってきます。
臨終 |
自宅や葬祭場の安置室に遺体を安置して枕元に蝋燭や花をお供えします。 臨終諷経(りんじゅうふぎん)と呼ばれる、枕経の儀式が行われます。 |
通夜 |
通夜諷経(つやふぎん)という儀式が行われます。 読経の後には僧侶の法話があり、位牌に記されている故人の戒名の由来について、簡単に説明が行われます。 最後に通夜振る舞いが行われるケースが多く、その後家族や親族などの親しい人が残り、夜通し故人に付き添います。本来は残った人が一晩中故人を見守るのがしきたりですが、翌日に葬儀が控えているため、交代で休むなどの対応をするのがほとんどです。 |
葬儀 |
導師が入場した後、次のような過程で進められます。
1.剃髪(ていはつ) 故人を仏弟子とするために髪を剃る儀式です。実際に剃るわけではなく、読経をしながら剃るようなしぐさをします。
2.受戒 故人が仏さまの弟子になるために、必要な戒名や戒法を授かるための儀式です。
3.焼香・読 導師がお経を唱えはじめます。その間に参列者が順番に焼香を行います。 本来は入棺の儀式(入龕諷経(にゅうかんふぎん))行われますが、現代では既に入棺が済んでいる状態のため、回向文というお経が唱えられます。棺を閉じる儀式(龕前念誦(がんぜんねんじゅ))もそのまま読経になります。お経の間に参列者全員が焼香を終えます。
4.挙龕念誦(こがんねんじゅ) 邪気を払うための読経で、読経をしながら仏具を鳴らして邪気を払います。
5.鼓鈸三通(くはつさんつう) 挙龕念誦(こがんねんじゅ)に引き続き、3つの仏具をリズムよく打ち鳴らします。
6.引導法語 導師が故人の生涯を漢詩で表し、仏の世界へ導く儀式です。たいまつを模した仏具や線香を使い、右回り、左回りに円を描いて故人に引導を渡します。
7.山頭念誦(さんとうねんじゅ) 故人の仏としての性質が覚醒するように祈願する儀式です。
ここまでの儀式が終了した後、導師が退場し出棺へと進みます。ここで他の宗派と同様、喪主の挨拶や最期のお別れが行われるのが一般的です。 出棺の際に再び鼓鈸三通を行ったり、導師退場の前など寺院や地域によって順番が前後したりする場合もあります。 |
火葬・収骨 |
一般の仏式葬儀と同様に火葬・収骨が行われます。 |
以降、初七日法要、四十九日法要、年忌法要は一般の仏式葬儀と同じように進んでいきます。
参列する際に注意すること
香典について
一般的な香典と同様、表書きは「御霊前」「御香典」「御香料」のいずれかで、薄墨で書くなどのマナーを守っていれば問題ありません。
数珠について
正式念珠は「看経念珠」といい、百八環金と呼ばれる銀の輪が入っているのが特徴です。合掌する際は左手の親指と人差し指の間に2重にしてかけて房が下に垂れるようにし、そのまま手を合わせます。
曹洞宗の信者でなければどの宗派でも使用できる略式の数珠で構いません。
焼香の作法について
お香を3本の指で摘むところまでは一般的ものと同じですが「1回目は押しいただく・2回目は押しいただかない」のが特徴です。
神葬祭
神葬祭(神道式の葬儀)とは
神道では「死者は神様になる」という考えがあり、神葬祭は「故人を家の守り神とする」という目的で執り行われます。
一般的な仏式葬儀が「死者を極楽浄土へ導くこと」が目的なのに対し、神葬祭(神式葬儀)は「穢れを清めて日常に戻すための儀式」であり「故人を家の守り神として祀る」のが目的となります。
葬儀の流れ
一般的な神式葬儀の流れを紹介します。
臨終〜納棺 |
帰幽奉告(きゆほうこく) 神棚や御霊舎(みたまや)に帰幽(亡くなったこと)を奉告します。神棚の前に白紙を下げ「神棚封じ」をします。
枕直しの儀 故人に白の小袖を着せ白い布で顔を覆ったうえで、北枕にして安置します。 故人の近くに小さな祭壇を設け、故人が好きだったものや米・塩・水をお供えします。
納棺の儀 故人の体を清め、死装束を着せて納棺します。白い布で覆うだけの場合もあります。 納棺を済ませたら、喪主から順番に拝礼を行います。 |
通夜祭〜遷霊祭 |
通夜祭(つやさい) 神官が祭詞(さいし)や祭文(さいもん)を奉上します。故人が死後安らかになるように祈り、子孫の家を守ることを願うためのものです。神官が祭詞や祭文を奉上する間、遺族や参列者は玉串を奉って拝礼する流れが一般的です。
遷霊祭(せんれいさい) 故人の御霊を霊璽(れいじ)にうつすための儀式を指します。霊璽とは、仏教における位牌に当たり、故人を家庭で祀る際の依り代となるものです。神道では、魂が動く時間帯は夜とされているため、夜を模すために部屋を暗くして行われます。 |
葬場祭~帰家祭 |
葬場祭(そうじょうさい) 仏式における葬儀のようなものです。遺族や参列者が故人に最後のお別れをします。 神職者は「祭詞奏上(さいしそうじょう)」「玉串奉奠(たまぐしほうてん)」の2つを行います。
火葬祭(かそうさい) 火葬の前に火葬場で行われる儀式です。神職が祭詞を奏上し、遺族が玉串を奉って拝礼します。火葬祭を行ったのち、ご遺体は火葬されます。
埋葬祭 故人様のご遺骨を埋葬する儀式です。お墓の準備の都合上、現代では一度自宅に持ち帰り、神葬祭から50日後に行われる「五十日祭」で埋葬するケースが多いです。
帰家祭(きかさい) 塩や手水で清めたのち、霊前に神葬式が終了したことを報告します。
直会(なおらい) 葬儀でお世話になった方を労うために開く宴のことです。この直会が終われば儀式はすべて終了となり、その後は節目の年に霊祭を行って供養します。 |
五十日祭 |
故人がなくなってから50日目に行われる儀式のことで、仏教でいう四十九日法要にあたります。五十日祭を終えることで忌明けとなるため、遺族にとっては節目となります。 |
以降は仏教での年忌法要にあたる「式年祭」が行われます。満50年目の「五十年歳」が式年祭の終わりにあたり、仏式葬儀で言う弔い上げとなります。
参列する際に注意すること
玉串奉奠
玉串奉奠は、仏式葬儀の焼香にあたるものです。一般的な手順を紹介します。
1.順番がきたら、祭壇の前へ進む 2.遺族に一礼 3.神官の前へ出て一礼し、両手で玉串を受け取る。 右手で上から枝の根元をつまみ、左手で下から葉を支えるように持つ。 4.玉串案(玉串をのせる台)の前まで進み、祭壇に一礼する 5.受け取った形のまま玉串を目の高さまで上げ、根元が手前に来るよう に右回り(時計回り)に回す 6.根元を左手に持ち替え、さらに右回りさせて根本が玉串案の方に向く ようにする。 7.そのまま玉串案に静かに置く。 8.一歩下がり、二礼。 9.音を立てずに二拍手。 10.神官、遺族に一礼をします。 |
玉串料
神式葬儀における香典は「玉串料」と呼ばれます。
玉串料の香典袋は、白黒もしくは双銀の水引があるものを使用するのが一般的です。
表書きは、「御榊料」「御玉串料」「御神前」のいずれかを選択しましょう。
数珠は不要
数珠は仏教における仏具のひとつですので、神式葬儀には必要ありません。
仏教用語を避ける
『ご冥福』『供養』などといった言葉は避けましょう。
神式では通夜は「通夜祭」、葬儀は「葬場祭」と呼びます。
事情があって通夜や葬儀に出席できない場合は、弔電を打ってお悔みの気持ちを伝えます。
また、特に故人と親しかった場合やお世話になった場合は、感謝の気持ちを込めて供花や供物を贈るとよいでしょう。ただし、地域や宗派によってしきたりが異なるので、事前に確認しておきましょう。
弔電
弔電とは
弔電とは、故人や遺族に対して、お悔やみの気持ちを伝える電報のことです。
やむを得ない事情で通夜や葬儀・告別式、法要などに参列できない場合は、弔電を送るのがマナーです。送った弔電は、葬儀や告別式で読み上げられるのが一般的。親戚や友人、知人はもちろん、職場の同僚や取引先にご不幸があった際に利用されます。
送るタイミング
故人の訃報を受けたあと、葬儀に参列できないと分かった時点で手配するようにします。
通夜や葬儀・告別式の前日までに、葬儀の会場に届くように手配します。遅くとも、式が開始する3時間前までに届くよう申し込みましょう。
家族葬などで弔電を辞退されているケースもありますので、お知らせの内容をよく確認してから手配しましょう。辞退の旨が書かれている場合は送らないのがマナーです。
申し込みの方法
弔電の申し込みは、電話やインターネットで行う事ができます。
電話で申し込む場合 |
局番なしの「115」に電話をします。オペレーターが電話に出ますので、オペレーターの質問に答えることで弔電を作成します。 オペレーターと相談しながら進められるので、送り方に不安がある場合などは電話で手配するのがおすすめです。
※スマートフォンからかける場合、docomo・ソフトバンク系はNTTのお悔やみ弔電サービスに、auなどのKDDI系は「でんぽっぽ」というサービスにつながります。どちらの場合も基本的な流れは変わりません。 |
インターネットで申し込む場合 |
NTT、郵便局などのインターネット電報サービスを利用します。自身でデザインの種類を確認でき、完成イメージを確認しながら進められるのがメリットです。 各サイトの案内に従って、Webフォームに必要な情報を入力していくことで弔電を作成します。 |
適切な文章が思い浮かばない場合は、各種サービスが用意している文例を使用しても構いません。
宛名・宛先・差出人の書き方
宛名
宛名には喪主名(フルネーム)を記載します。そのため弔電を送る前には、喪主の氏名をしっかりと確認しておきましょう。
宛先を故人にするのは原則マナー違反となるため注意します。
喪主の名前が分からない場合には「〇〇(故人のフルネーム)様 ご遺族様」「(〇〇(故人のフルネーム)様 ご一同様」といった記載をする場合がありますが、遺族の意向や地域によって、故人の名前を宛名にするのはタブーとされる場合があるため、確認しておきましょう。
宛先
弔電の宛先は、通夜・葬儀が執り行われる会場です。斎場や葬儀場、自宅など、会場の住所と電話番号を確認しておきましょう。もし通夜・葬儀の場所がわからない場合は、一報を入れたうえで、喪主の自宅宛に送ってください。
差出人
差出人の表記は、遺族が見ても誰か分かるように「差出人名」と「故人との関係」を一言添えましょう。
また、学校や会社関係者など連名で送る場合は、目上の方から順に名前を記入します。人数が多い場合は「○○一同」のようにまとめるとよいでしょう。そのときも、故人との関係が分かるような書き方をするのがマナーです。
文章を作成する際の注意点
弔電の文章を作成する際の注意点をご紹介します。
故人の呼び方(敬称)
弔電には故人の呼び方を敬称で表現します。
故人と受取人の間柄 | 敬称の一例 |
受取人の実父 | ご尊父様/お父様 |
受取人の実母 | ご母堂様/お母様 |
受取人の配偶者 | ご主人様/ご令室様 |
受取人の義父・義母 | ご岳父様/ご岳母様 |
受取人の子 | ご子息/お嬢様 |
受取人の兄弟/姉妹 | ご令兄様(ご令弟様)/ご令姉様(ご令妹様) |
宗教の違いによって注意すること
宗教による死生観の違いなどからふさわしくない言い回しがあるため注意が必要です。
故人が仏教の場合 |
仏教には「ご冥福をお祈りします」といった表現があります。「冥福」は仏教用語であり、他の宗教では使わない点を覚えておきましょう。 また、同じ仏教であっても、浄土真宗には「冥福を祈る」という考え方がありません。宗派が分からない場合は「冥福」という言葉は避けるのが無難です。 |
文章例 山田 太郎(宛名) 様 ご尊父様のご逝去の報に接し、謹んでお悔やみを申し上げます。 お元気で働き盛りだった生前の姿をお偲びし、悲しくてなりません。 ご遺族の皆様、お力落としのことと存じますが、どうぞご自愛くださいませ。 田中 次郎(〇〇大学 〇〇年卒 学友) |
忌み言葉などを避ける
弔電にふさわしくない言葉、宗教の違いで気をつける言葉の例を紹介します。
重ね言葉の例 |
重ね重ね、いろいろ、ますます、くれぐれも、度々、また |
生死を表す言葉の例 |
死ぬ、死亡、亡くなる、去る、生きていたとき |
仏教以外では使わない言葉の例 |
仏、冥福、成仏、ご愁傷様、供養、往生、冥途 |
プライベートな話題は避ける
故人の個人的な話題に関する内容は記載しないほうが無難です。遺族が知らなかったことが明るみになることで、あとからトラブルとなる可能性もあるためです。
供花
供花とは
祭壇の脇を飾る花を供花と言います。遺族の了解を得てから贈るようにしましょう。最近では故人の遺志を尊重して辞退するケースがあります。一方的に手配するのはマナー違反となります。
供花の送り方
供花は、葬儀社・生花店・インターネットの3つの選択肢から手配できます。もっとも確実な方法は、葬儀社へ依頼することです。
葬儀社に手配してもらう
葬儀社に供花を依頼する場合は、葬儀社へ直接連絡しましょう。時間がない時でも対応できる場合が多く、宗派や地域性、遺族の意向に合わせて選んでもらうことができます。
生花店で手配してもらう
生花店で手配してもらう場合も、事前に葬儀社に確認を取るようにします。
葬儀社によっては提携している生花店からのものしか受け入れをしていない場合があります。
インターネットで手配する
インターネットで手配する場合も、事前に葬儀社に確認を取ってからにします。生花店での手配同様、提携している生花店からのものしか受け入れをしていない場合があるためです。
送る際の注意点
お通夜や葬儀の準備など慣れないことに追われ、忙しい状況のなかで遺族は供花を受け取ります。そのため、タイミングやマナーに注意した上で供花を手配する必要があります。故人を偲ぶ気持ちを真っすぐに伝えるためにも、注意点を確認しておきましょう。
遺族の了解を得る
遺族の了解を得てから贈るようにしましょう。最近では故人の遺志を尊重して辞退するケースがあります。お知らせに辞退の旨が記載されていないかをよく確認しましょう。一方的に手配して送りつけるのはマナー違反となります。
当日に間に合うように手配する
供花は、通夜の開始に間に合うように送るのがマナーです。多くの場合、お通夜の準備は当日の午前中に始めます。間に合わない場合は、通夜の日に届けば葬儀で飾ることは可能です。お通夜や葬儀に参列できないときには、供花と弔電を送ることもあります。
供花は祭壇の両端に飾ることから、2基一対で送るのがマナーとされていましたが、近年では会場のスペースが狭い、費用の負担などから、1基のみ送る場合も増えています。故人との関係性や喪主の意向を踏まえて検討するようにしましょう。
故人との関係性を伝える
葬儀社などに依頼する際は、自分と故人との関係性を伝えるようにします。
供花は故人との関係性によって飾る順番を決めており、祭壇全体のバランスも考慮しなけらばならないため、並べる順番は葬儀社に任せましょう。
名前・名札について
供花を贈る際は、芳名名札という送り主の名札を付けます。たいていの場合、実際に名札を書くのは葬儀社のスタッフなどです。記載内容を間違えずに伝えるだけで問題ありません。
故人の宗派がキリスト教の場合、名札はつけません。
宗教ごとに適した花の種類
故人がどの宗教・宗派だったのかを確認した上で、最適な花を選びましょう。花の種類や季節などによって相場は変わってきます。
花籠やフラワースタンド、フラワーアレンジメントなどの形式をとります。
会場が小さい場合、場所をとらない花籠やフラワーアレンジメントがよく選ばれます。
仏教の場合 |
百合や菊、デンファレ、カーネーションなどの花がよく利用されます。やや高価なものだと、胡蝶蘭を送ることもあるようです。いずれの場合も派手な色ではなく、白など落ち着いた色合いのものを選びましょう。 |
神道の場合 |
仏教の場合と同様に菊や百合などが用いられます。そのなかでも白い菊の花がよく利用されます。 供花の形態は仏教の場合と同じで問題ありません。 |
キリスト教の場合 |
百合やカーネーション、小菊やスプレー菊などが用いられます。キリスト教では必ず生花を送るようにし、名札は付けません。 教会ではなく故人の自宅に送るのが一般的です。 |
供物
供物とは
供物は「くもつ」 と読み、葬儀の際に故人への気持ちや遺族への弔意を表すために贈るお供えの品です。葬儀では祭壇に飾られます。宗教ごとの規律や考え方に合った品物選びなど、送る際のマナーを把握しておく事が大切です。
送る際の注意点
供物を贈る際の注意点についてご紹介します。
遺族の了解を得る
遺族の了解を得てから贈るようにしましょう。式の規模や故人の意向などの理由で辞退している場合があります。
お知らせに辞退する旨の記載がないかを確認するようにします。供花同様、一方的に手配して送りつけるのはマナー違反となります。
式の開始に間に合うように手配する
供物は、葬儀であれば通夜~告別式を通して、法事であれば式中に飾るものであるため、式の開始に間に合うように送ります。
準備のことを考えると、葬儀の場合は通夜当日の午前中、法事の場合は開始1時間前までには届くように手配しましょう。
のし紙の水引と表書き
供物を送る場合、包装紙やのしの紙の表書きを弔事用にし、水引は5本の結び切りのものを使用します。東日本の場合は黒白5本の結びきり、西日本の場合は黄白5本の結びきりのものを選びましょう。
表書きは仏式では「御供物」「御供」「御霊前」などとし、神式では「御玉串料」となります。「御霊前」は相手の信仰宗派が分からない場合に有効です。
宗教ごとに適した供物
故人がどの宗教・宗派だったのかを確認した上で、最適な花を選びましょう。花の種類や季節などによって相場は変わってきます。
仏教の場合 |
線香、ろうそく、果物、菓子、缶詰、五穀、故人が好きだったものを贈るのが一般的です。 肉類や海産物などの生物を贈るのは厳禁です。これらは「四つ足生臭もの」と呼ばれ、殺生をイメージさせるためです。日本酒も慶事(おめでたい行事)を連想させ、葬儀の供物として向かないという考え方もありますので贈る際には注意が必要です。 |
神道の場合 |
果物、菓子、魚などの海産物、酒、五穀、故人が好きだったものを贈るのが一般的です。 仏教で使われる線香やろうそくなどは相応しくありません。 仏教でタブーとされている海産物は、神の恵みと考えられているため、贈っても問題ありません。また、お酒も神様とつながりの深いものであるため、贈ってもよいとされています。 |
キリスト教の場合 |
供物を贈る必要はありません。 祭壇に供物を飾るという習慣がなく、お供えものをする必要がないためです。代わりとして供花(生花)を贈るのが一般的です。 |
葬儀の受付は遺族の代理とも言える役割です。
葬儀に関することを葬儀会社などに依頼した場合でも、香典などの貴重品を扱う都合上、受付は喪主側が選出するのが一般的です。受付を依頼されるのは遺族からの信頼の証でもあります。遺族の代理として参列者に向き合う心構えでのぞみましょう。
葬儀の受付
受付を依頼されたら
葬儀の受付を依頼されたら、やむを得ない事情がない限り引き受けましょう。葬儀の受付は遺族の信頼の証でもあるからです。どうしても引き受けられない場合は、回答を保留せず、打診されたその場で丁寧に断りましょう。
受付の役割
受付は弔問者や参列者をお迎えする係です。香典を受け取り、芳名帳に記載してもらうだけでなく、細々とやるべきことがあります。
受付の主な役割
1.弔問者や参列者の挨拶を受け、香典を受け取る 2.芳名帳記入のお願い 3.返礼品のお渡し 4.供物や弔電の受け取り 5.参列者の荷物や上着をお預かりする(クロークがある、冬場などの場合) 6.式場内や周辺の簡易的な案内(トイレ、駐車場など)
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服装・持ち物
服装は基本的に参列者と同じ「準喪服」または「略礼服」です。
準喪服
男性 | ブラックスーツと黒ネクタイ。光沢が無いもの。 |
女性 | 黒か濃紺のワンピースやアンサンブル。 黒か濃紺のスーツ。 光沢が無く、肌を露出しないもの。 |
略喪服
男性 | ダークグレーか紺のスーツに黒のネクタイ。 無地またはそれに近く、光沢が無いもの。 |
女性 | 黒か濃紺のワンピースやアンサンブル。スーツ。 多少の織り柄は可。 |
持ち物についても基本的に参列者と変わりませんが、筆記用具などの準備が必要かどうかを事前に喪主に確認しておきましょう。
持ち物 | 数珠/ハンカチ/ふくさ/香典/筆記用具 など |
葬儀当日の流れ
一般的に、葬儀の受付開始は葬儀開始の30分〜1時間前です。葬儀開始の1時間〜1時間30分前を目安に集合し、時間までに準備を済ませるようにします。
受付係は葬儀が執り行われている間も参列者や弔問客の対応をすることになるため、焼香のタイミングについては事前に相談しておきましょう。
時間の目安(葬儀開始が13:00〜/受付開始が30分前の場合)
12:00 | 斎場に到着/親族への挨拶/受付準備 |
12:30 | 受付開始 |
13:00 | 葬儀開始 |
受付の基本的な流れ
受付の流れは遺族の意向や葬儀の会場、形式などで変わってきます。準備の際に遺族や葬儀会社のスタッフなどから説明があった場合はその指示に従うようにします。
一般的な受付の流れ
一般的な受付の流れ |
1.参列者や弔問客の挨拶を受ける |
2.挨拶を返す 文言例1.「本日はお忙しい中お越しいただきまして、ありがとうございます」 文言例2.「本日は足元のお悪い中をお越しいただき、ありがとうございます」 |
3.香典を出されたら、両手で受け取り、一礼する 文言「お預かりします」 ※あくまで遺族の代わりに受け取るので「頂戴いたします」は適当ではありません。 |
4.記帳をお願いする 文言例.「恐れ入りますが、こちらにお名前とご住所をご記入ください」 |
5.返礼品をお渡しする 文言例.「こちらお礼の品でございます」 |
6.あるようなら、お供え物や弔電を受け取る(誰からもらったかメモしておく) |
7.香典は受付で保管し、お供え物や弔電は葬儀社のスタッフに渡す |
受付の際に気をつけること
事前に準備しておくこと
受付を引き受けたら、事前にいくつか準備しておくことで、スムーズな対応ができます。
受付の事前準備
1.受付係の中で役割分担をしておく。 2.必要なものが揃っているかの確認。 3.香典や供物の扱いについての確認。 4.会場内のレイアウトや周辺の地図の把握をしておく。 5.焼香などのタイミングを確認しておく。
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1.受付係の中で役割分担をしておく。
受付係は複数人で担当するのが一般的です。事前に役割を分担しておくと、当日の案内がスムーズになります。
役割 | 仕事内容 |
芳名帳記入のお願い | 声掛けをして芳名帳への記入を案内する。 |
香典・弔電などの受け取り | 参列者が弔電などをお持ちの場合は受け取った後に葬儀社のスタッフに渡し、祭壇にお供えしてもらう。 |
返礼品のお渡し | 御礼品・返礼品などを渡す。 |
会計 | 受け取った香典を預かっておく。 紛失のないよう細心の注意を払うこと。 |
2.必要なものが揃っているかの確認
受付開始までに、必要なものが揃っているか、どこにあるかを把握しておきまそう。
必要なもの | 備考 |
筆記用具 | 芳名帳を記入してもらう用、メモを取る用など、必要な数があるかを確認します。 |
芳名帳 | 葬儀の形式によって記入の仕方が変わるので、確認しておきます。 |
返礼品 | お渡しするタイミングについて確認しておきます。 品物をその場で渡す方式や、引換券をお渡ししてお帰りの際にお渡しする方式があります。 また、香典が連名だった場合や、お返しは要らないと言われた際の対応についても確認しておきます。 |
メモ用紙 | 供花や供物を受け取った際などに覚書をしたりするのに使用します。 |
会場周辺の地図 | お帰りの際の道順などを聞かれることがあるので、一度目を通して把握しておきます。 |
3.香典や供物の扱いについての確認
葬儀の形式や喪主の意向によって扱いが変わります。
特に、家族葬などで香典や供物を辞退している場合は注意が必要です。事前に辞退の旨を伝えていても持参される方や、御花代など別の名目で渡そうとする方がいるため、その場合の対応をどうするかを確認しておきます。
4.会場内のレイアウトや周辺の地図を把握しておく
受付をしていると、参列者にトイレや待機する場所、駐車場の場所などを尋ねられることがあります。
どこに何があるかを事前に把握しておきましょう。
5.焼香などのタイミングを把握しておく
受付は参列者の対応をする都合上、受付の場所を離れられないことが多くあります。焼香や精進落としの席につくタイミングを確認しておきましょう。
焼香 | 葬儀によって、開式前に済ませておく場合や、交代で焼香する場合、参列者がある程度途切れた時点で案内がある場合などがあります。 |
精進落とし | 香典の集計が終わったタイミングで案内される場合が多いですが、葬儀によって変わります。 |
特に注意すること
受付の際に特に気をつけることについて紹介します。
芳名帳の記載
フルネームで、住所までしっかり書いてもらうよう促します。
カード式などで記帳を別のところで行う場合は、丁寧にその旨を伝え、手振りで場所を示して促すようにします。
香典や供物を辞退している場合の対応
お知らせをした際に香典や供物を辞退する旨を伝えていても、「礼儀だから」と参列者が持参してくる場合があります。
トラブルの原因になりかねないため、辞退の旨を伝えて丁寧に断り、絶対に受け取らないように気をつけてください。頑なに出そうとする意思を示される方については、喪主に確認を取るようにしてください。
※辞退している場合でも、遺族の意向で「親族のみ受け取る」などの対応をしている場合があります。事前にしっかり確認しておきましょう。
お断りする際の文言例 | 「申し訳ありません。ご遺族の意向により御香典は辞退申し上げております。お気持ちだけありがたく頂戴いたします」 |
受付全員で対応方法を揃える
受付の人の間で、対応方法を統一するようにします。違う対応をしてしまうと、後々トラブルの原因になりがちです。特に注意しなければならないのが、香典・供物の扱いと返礼品の数についてです。
香典・供物の扱い | 辞退している場合でも、全く受け取らない、どこまでの範囲なら受け取るなど、遺族の意向によって対応が変わります。事前にしっかり確認しておきましょう。 |
返礼品の数 | 香典を複数人の連名で渡された場合、渡す返礼品の数をどうするかについても、葬儀会社や遺族の意向で変わるため、確認しておきます。 |
また、受付でイレギュラーな事があって対応をした際に、どういう対応をしたかを受付全員で共有するようにしてください。
特に、通夜と葬儀・告別式で受付の人が変わる場合は、対応についてしっかり引き継ぎをしておくことが大切です。
遅刻は厳禁
葬儀は故人との最後の別れであるため、多くの人が遅刻をしないようにやってきます。人によっては、開式の30分以上前に足を運ぶ方も珍しくありません。受付はそんな参列者の方々を迎える役割ですので、遅刻は厳禁です。
特に会社関係のつながりで依頼された場合は、仕事の延長線上と捉えられる場合が多く、その後の評価に影響しかねないため、時間に余裕をもって行動するようにしてください。
移動中のトラブルなど、やむを得ない事情で遅れそうな場合は、他の受付のメンバー(メンバーの連絡先が分からない場合は葬儀会社)に連絡を入れるようにします。
マナーについて
受付をお願いされる立場とはいえ、参列者であることに変わりはないため、通常の葬儀と同様にマナーを守った振る舞いを心がける必要があります。
特に受付係が気をつけるべきマナーについて紹介します。
服装 | 周りから見られる機会が増えるため、着ているものにシワや汚れがないか、髪や化粧の乱れがないかなど、身だしなみに細かく気を配るようにします。 |
言葉遣い | 丁寧な言葉遣いで、ゆっくり、はっきり話すよう心掛けます。特に、高齢の方に対しての話し方に気をつけましょう。 |
家族葬は、家族や親戚、友人など、故人と親しかった少人数の人たちだけで行う葬儀です。参列するのは、遺族から参列して欲しい旨の連絡があった場合のみとなります。
一般葬とは違い、家族葬に関することは故人の意思や遺族の想いによって決められている部分が多いことを考慮し、その意思を尊重することが大切です。
参列する場合
お知らせ
家族葬のお知らせを受けた場合、葬儀に関して他の方へ口外しないのがマナーです。
家族葬の参列者は故人や遺族の意思によって決められています。口外してしまうと予期せぬ参列が発生してしまう可能性があり、喪主に迷惑がかかってしまいます。
服装
参列する場合は「準喪服」か「略喪服」などのブラックフォーマルが基本です。男女ともに、アクセサリーの着用は結婚指輪以外避けた方が無難です。
靴やバッグは特に注意を払いましょう。黒い靴やバッグでよく使用されるエナメル素材や革製品は葬儀の場ではふさわしくないため、控えましょう。
準喪服
男性 | ブラックスーツと黒ネクタイ。光沢が無いもの。 |
女性 | 黒か濃紺のワンピースやアンサンブル。黒か濃紺のスーツ。光沢が無く、肌を露出しないもの。 |
略喪服
男性 | ダークグレーか紺のスーツに黒のネクタイ。 無地またはそれに近く、光沢が無いもの。 |
女性 | 黒か濃紺のワンピースやアンサンブル。スーツ。 多少の織り柄は可。 |
香典・供花・供物
家族葬の場合、一般の葬儀と違い、香典・供花・供物を辞退されることがあります。
参列のご案内を受けたら、内容をよく読み、香典などの辞退の旨が記載されていないかを確認しましょう。
辞退の旨が書かれている場合、香典などは持参しません。何も書かれていない場合は念の為準備しておくことをお勧めします。
会食について
家族葬であっても、葬儀後の会食への誘いがあった場合はできる限り参加するようにしましょう。
家族葬に参列する方は、家族が「故人と最期にお別れしてほしい」という想いでお声がけした方たちです。時間の許す限り、食事をしながら故人の思い出を語り合うことが、個人を偲ぶだけでなく、家族の想いに応えることにもなります。
葬儀が終わった後の配慮
家族側が葬儀を終えたことを報告するまで、家族葬に参列したことを口外することは控えましょう。呼ばれなかった方が逝去を知った場合に、予期せぬ弔問の対応などで家族側の負担が増えてしまいます。
参列しなかった場合
お悔やみ・弔問
家族葬に参列しない場合、どうしても電話などで弔意を示そうとしがちですが、葬儀前の遺族は慌ただしくしているので、電話や弔問など遺族の負担を増やすような行動はマナー違反となります。
お悔やみの電話などは後日、家族が落ち着いたタイミングにしましょう。
香典・供花・供物・弔電
家族葬の場合、遺族側は、お呼びしなかった方からの香典等を辞退する場合が多いです。
連絡を受けたら、香典等についての記載があるかをよく確認し、辞退の旨が明記されている場合は送らないようにしましょう。
辞退しているのに香典などを送ってしまうと、その分喪主側の負担が増えて故人との時間を奪ってしまうことになるためです。
葬儀後の弔問
葬儀の後にご自宅へ弔問していいかどうかは、喪主次第です。弔問して良いかどうかは必ず事前に確認しましょう。
弔問できる場合、家族葬が終わってから1週間程度経った後から、四十九日の前までにするのが一般的です。